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僕らの感情崩壊音「出席番号」ライナーノーツ

2020/09/02

断言しよう2020年を代表するポップソングの誕生だ。イントロのUKテイストを感じる前向きなギターリフがとてもいい。多くの引っ込み思案なリスナーに勇気を与えてくれるフレーズだ。

 

全人類誰にでも共通するルールはたったひとつ = 人生は一度きり。

 

学生時代、誰もが経験したことがありそうなキーワードが頻出するナンバー「出席番号」。甘酸っぱいあの頃の気持ち。でも、やっぱり軸となる視点は、みるきーうぇいならではの感情を震わせるフィルターを通した“せつなさ”でいっぱいだ。

 

「出席番号」には、伊集院香織が生み出した小説『放課後爆音少女』で描かれた登場人物があらわれる。

 

本作のすごさは、学生時代とその後の生活が時代を超えてリンクするところだ。親友との関係性の時間の変化が“席”と“籍”がかかることで意味が変わってくる。名前で並んでいた、制服を着ていた頃には戻れないんだって事実が哀しい。だけど、悲しんでいるだけではなく、強く友人を信頼している気持ちも伝わってくるんだ。歌詞では具体的に描かないけれど、行間とメロディー、音楽、そして歌声の響きで伝わってくるのは優しさだ。

 

ああ、でもやっぱりもどかしい……。でもそれが人間なんだよね。そんな人生のやるせなさをポップ・ミュージックとして3分47秒の物語として表現するのだから、伊集院香織はすごい。

 

このもどかしさの答えを僕は知っている。肌感覚で覚えている。海外でいえばマニック・ストリート・プリーチャーズ、日本ではブルーハーツや尾崎豊級のポップネスのあらわれだ。だからもっともっと多くの人に、リアリティーに富んだみるきーうぇいの楽曲が持つピュアネスを知って欲しいなと思う。「出席番号」を聴いてほしいと願う。みんなで“もぞもぞ”してほしい。これは今の時代のヒット曲になるべき作品なのだ。

 

「出席番号」は、みるきーうぇいにとってめずらしい柔らかなポップソングだ。普段の尖ったロック主張は影を潜めている。だけれども、胸が張り裂けそうな“パンク”はいっぱいに詰まっている。張ち切れたら、それが青春期を記録する“僕らの感情崩壊音”となるのだろう。高校時代の友人に送った、優しさだけで生まれた最高のウエディング・ソング。人生って尊いんだなぁ。香織さんに教えられるわ。 

 

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

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